みなさんこんにちは。@regionalfootbalです。
第54回全国社会人サッカー選手権大会(略して「全社」)が、茨城県で10月20日〜24日の5日間の日程で開催されました。サッカーで5連戦、まさに「世界一過酷な大会」の異名にふさわしい、とんでもない日程の大会です。
昨年の第53回大会につきましては、大会会場である福井に滞在して毎日観戦記を書きました。
#全社 観戦記のモーメントを作成しました。 #コミュサカ 全社2017観戦記(0〜5日目フルセット) https://t.co/rQ5il0iRTx
— 地域CLを知る (@regionalfootbal) 2017年10月18日
今回の大会は、今年の春から関わっているインターネットの地域サッカー情報番組『蹴AKE11 〜シュウアケイレブン〜』のスタッフとして現地に滞在し、試合の取材や当日の番組配信に携わることとなりました。
また、昨年は大会期間を通して最終日まで福井に滞在し、決勝戦までを見届けたのですが、今年は都合で3日目まで、となりました。
- 滞在期間:2018年11月19日(夜)〜23日(水)朝
この記事では、今回の全社滞在期間を通して感じたことを書き残しておきたいと思います。
■11/20 大会1日目:一回戦取材@卜伝の郷運動公園多目的球技場
前日に現地入り。翌日の大会初日は、卜伝の郷運動公園多目的球技場を訪れて、以下の2試合を中心に撮影/インタビューを実施しました。
match01:鈴鹿アンリミテッドFC 対 高知ユナイテッドSC
match04:J.FC MIYAZAKI 対 栃木ウーヴァFC
当日、僕がインタビューをさせていただいた方々は、以下の通りです。
- 高知ユナイテッドSC 大谷武文監督
- J.FC MIYAZAKI 橋本辰哉選手
- 栃木ウーヴァFCサポ マモジイさん
- 鈴鹿アンリミテッドFCサポ 中西さん
ちなみに、取材用のビブスを着るのも実際に試合後にインタビューをさせていただくのもほぼ初めて。ぶっつけ本番で無作法もあったにもかかわらず、みなさん快く対応いただきました。ありがとうございました!
ただ、試合前にVONDS市原FCサポさんにもお一人インタビューをさせていただいたのですが、都合で配信に乗せることができませんでした。申し訳ありません。
取材後は、カシマスタジアム近くのブラジル料理屋さんに移動して、初日の番組配信の準備に。
会場には、写真家・ノンフィクションライターの宇都宮徹壱さんや栃木ウーヴァFCの大栗崇司代表、また多くの地域リーグサポさんたちが集まっていました。Twitter上でしか存じ上げない方々も多く集まられていたので皆さんとお話もしたかったのですが、準備段階で機材トラブルがあってテンパっていました。せっかくのブラジル料理の写真を撮ることすらも忘れる始末。
上記4名のインタビュー映像は、この回の配信に乗せることができました。
■11/21 大会2日目:一時離脱
大会2日目は私用により昼間は全社各会場から離脱していました。夜になって合流し、配信を実施。
■11/22 大会3日目:準々決勝取材@北海浜多目的球技場
大会3日目は北海浜多目的球技場を訪れて、以下の2試合の撮影をしました。
match26:FC刈谷 対 サウルコス福井
match28:アルティスタ浅間 対 松江シティFC
地域リーグ界隈ではどこも有名なチームばかり。朝から(これは楽しみだ)と思っていたのですが、ここで一点問題がありました。
実は初日でうすうす気づいていたことなのですが、試合風景をビデオカメラで撮影していると、ボールと選手の動きをカメラで追うのに精一杯になってしまって、試合の流れが頭に入ってこない!ということです。しかもこの日は撮影場所の都合上、ゴール裏でしかもピッチレベルから撮影していたことから、どちらがどれだけ押し込んでいるのかでさえ、印象レベルでしかわからない、という感じに。
昨年は単なる一観戦者として好きな場所から観られたので、試合の流れなども一応把握しながら試合を観ることができたのですが、今回はその余裕が持てず、試合自体を楽しむ、という感じになれませんでした。もちろん、これは単純に僕のスキル不足であるのですが…。
そしてこの日はインタビューは他のスタッフに任せて、僕自身は試合撮影に集中。この夜も配信。
そして翌23日の朝には帰京。番組配信自体は23日夜にあと一回ありましたが、僕自身は関われていません。
■立場を変えて、立場を超えて
このように、今回の全社滞在期間中はひたすら番組制作に取り組んだ、といった形となりました。そのなかで思ったことをいくつか書いておきたいと思います。
1)連日の「撮影→動画編集を含む素材作成→配信→明日の準備」はハードだった
最初はこれ。想像はしていましたが、想像どおりにけっこうしんどい作業でした。たびたび機材トラブルにも見舞われましたし、特に今回は僕自身は動画編集にはほぼ未着手でしたが、これこそ(配信予告)時間との戦いだったので、担当スタッフは大変そうでした。テレビの制作現場とかはもっと壮絶なのでしょうな、と。いやはやみなさんご苦労さまです。
2)「自分が楽しむ」大会から、「視聴者に楽しんでもらう」大会に
昨年の福井全社は、いち観戦者として参加していたので、当たり前ですが「自分が楽しむこと」が第一義としてありました。連日書いていた観戦記も、自身のための記録として、といった側面が大きかったと、今となっては思います。
しかし今回の全社は、立場はまったく異なりました。前述もしましたが、試合自体を楽しむ余裕はほとんどなく、特に一日目はインタビューも担当したので、そのことで頭がいっぱいでした。
番組を統括している方から、事前に「会場では、自分が見たいもの・聞きたいことを取材すればいい」と言われていたので、「それならば」と、当サイトを開設して以降のかねてからの関心事項である、
「地域リーグのサッカーに関わること」とはその人にとってどういう意味を持つのか
について、誰に聞くかとずっと考えており、結果として、インタビュー映像としてよくある「監督やコーチ、出場した選手」へのインタビューは最低限になり、前述の5名へのインタビューとなりました。
僕のスキル不足もあって、特に初日は時間の都合上、結果として「撮って出しのノー編集」での配信となったわけですが、(編集前提で)もっと時間を撮ってインタビューする、というのが手法的にはよりベターなのだろうな、とは思います。もっと聞きたかった。ただ、これはもちろん相手あってのことですし、こちらの都合ばかり言っても仕方がない面もありますね。特に、敗戦後であれば他人にあれこれとやかく聞かれたりしたくないでしょうし。
全体的に、時間に追われ慌ただしい場面が多かったとはいえ、視聴者の方から「サポーターや控えの選手に話を聞くのは面白い」といくらかコメントをいただけたので、それはそれでよかったかなと思っています。改めて、ご協力いただきました皆様ありがとうございました。
3)「傍観者」としてどう関わるか
昨年の時点で、僕は全社における自分の立場を、このように位置付けていました(観戦記5日目より抜粋)。
僕は以前、地域サッカー界隈で有名なコミュサカブログさんの記事「【全社】「Sparkle of individuality」全社愛媛大会を振り返る」を読んでいました。なので、福井に来る前に、全社とはどれほど精神的に苦しい大会なのか、と若干恐れていたところがありました。
一方で、「魂が震える?そんなものはJ1昇格プレーオフ3年連続3連敗だけで十分だ(by千葉サポ)」とも思っていました。そして、自分はそうはならないだろうな、という予感もありました。
なぜなら、僕は最初からこの全社の傍観者だったからです。
(中略)
ちっとも苦しくなく、楽しい旅でした。それこそが傍観者の特権でありまた、傍観者ゆえの限界なのでしょう。
ちょっと規模は違うけれど、まるで自国の代表がでていないワールドカップに来ているような感じ、といったら良く言い過ぎでしょうか。
(いつのまにかプレーオフは4連敗に…ていうか今年はかすりもしてない…う、頭が…orz)
「傍観者」。心底応援しているチームが大会に参加しているわけではない、という意味では、この「傍観者」という立場は、今年も変わりませんでした。
しかし、昨年から思っていますが、この全社が「社会人サッカーの日本一を決める」という位置付けの大会(であるはず)なわりには、勝ち上がるほどに観客が減っていくような状況/仕組みはやはりどう考えても「残念」です。
これってどうなの? なんでこんな状況のままでいままでやれてきたの? というか、今もやれているの? いったいだれが得してるの?
「プロにはなれなかった、けれどまだ真剣にサッカーを続けたい」
そういう人たちがプレーできる空間が、地域リーグや都道府県リーグ、なのだと思っています。
そして、スポーツは、単にプレーする人だけでなく、それを支える人や観る人、そしてもちろん対戦相手があって初めて成立するもの。実業団にとっては福利厚生のひとつかもしれない。単にJリーグに行くための通過点なのかもしれない。それでも、「お祭り」や「特産品」や「観光資源」や「郷土の歴史」などと同じように、特定のコミュニティの心の拠り所のひとつとして、スポーツは機能しうる一面があるものと考えます。
2011年の東日本大震災の直後、スポーツやエンターテイメントは軒並み「自粛」されました。人の命に直結するものではないから、と。
しかし、人生のうちの結構な割合の時間をスポーツやエンターテイメントに費やす人たちにとっては、外部の人達からどう言われようが、それこそがかけがえのない「人生の一部」なのであって。それは、この春から関わっている番組の制作を通して見聞きする地域サッカーに関わる様々な人たちの言葉からも少しずつですがうかがい知ることができます。
ちょっと話はそれますが、僕自身は、システムエンジニアとして90年代から従事し、今も職場(+その周辺)でIT面全般を担わせてもらっていることから、「自身の技術をもってして、自身の関心分野に貢献すること」をひたすら続けています。ことサッカーに関しては、当サイトの運営自体やこの春から番組制作に(特に技術面として)関わっていることは、その実現方法のひとつ。
もう20年以上サッカー観戦をしてきた中で、サッカーからもらったものがかなり多いので、そろそろ恩返しをしたい、という思いもあります。自分と同じ一般人が、「それでもサッカーを続けられる」空間への。
特定のチームに肩入れしていないという意味では、地域サッカーに関しての「傍観者」という立場はおそらく今後も変わらないかと思います。ただ、昨年よりこの分野へのコミット度合いは増していますし、インプットの量に対してアウトプットの質は(番組にかかわらせてもらっていることで)上がっているかと思います(これは番組関係者に感謝)。
外部者であり傍観者。でも、だからこそできることもあるはず。
いつまで続けられるかわかりませんが、引き続きよろしくお願いします。
#全社 から離脱して帰京中。昨年の単独行と異なり、今年は #シュウアケ スタッフとして、試合撮影/インタビュー/番組配信に関わりました。ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!とりあえず、カシスタ近くのブラジル料理屋さん「ベリンバウ」の肉料理が美味かったです。 #コミュサカ pic.twitter.com/dMCVMLlfnm
— 地域CLを知る (@regionalfootbal) 2018年10月22日
今回の大会でも、現地で様々な方にお声がけいただきました。本当にありがとうございます。
参加されたすべてのチームの選手と関係者、そしてサポの皆さんに(現地組もそうでない人も)最大限の敬意と感謝、そしてお疲れ様を!
来月には、今年もまた最後にして最大の戦いが待っています。
それでは皆さん、11月の地域CLでお会いしましょう!