地域CL2017観戦記(4日目=決勝ラウンド2日目)

皆さんこんばんは。@regionalfootbalです。

今日は2017年11月25日(土)、地域CL2017 決勝ラウンドの2日目です。会場は1日目と同じく、ゼットエーオリプリスタジアムです。

よし、行きましょう。

第1試合:コバルトーレ女川 対 VONDS市原FC

昨日の1日目でPK勝ちした女川(勝ち点2)と、PK負けの市原(勝ち点1)。勝ち点の上で優位なのは女川です。

試合開始。女川は得意のパスワークを今日も試みますが、市原の守備陣相手に昨日ほどは機能せず、ときおり中盤で奪われます。それでもボールをつなぎ、速攻からのシュートで弾かれたボールを離れたところから打ったロングシュートが見事にキーパーの手をかすめてゴールへ!女川が先手を取ります。

その後も主導権はどちらかと言えば女川、しかし一点目のミドルが意識にあるのか、距離のあるシュートを選択することが多くなることで明確なチャンスは減ったような感じがしました。

市原は昨日と違って前線にレナチーニョだけでなく11番の峯選手も入ることで、前からの守備や圧力を強める意図があったでしょうか。献身的なプレスとともに、後ろからの長いボールを収めることもたびたび。逆にレナチーニョはトップ下のような位置にいることが多かったように思えます。その峯選手が長いボールに抜け出ようとしたところを女川DFが倒してしまってPAすぐ外でFKを献上。これをレナチーニョが中に入れた際に、たぶん女川DF?にちょっと当たってコースが変わってゴールへ!これで同点になります。ちょうどボールの弾道の延長線上にいましたが、あれっと弾道がずれてしまったのが見えたので、女川キーパーとしては不運でした。

点を取り戻すべく前の圧力を強める女川をいなすようなプレーも市原側に出始め、この決勝ラウンドでは見られなかった「らしさ」を垣間見た気がしました。結局このまま前半終了。

後半に入るとあきらかに市原ペースに。女川の選手が守備に戻れなくなるシーンも見られてきて、もしかしたらスタミナの問題だったのかもしれません。連戦のなかにあってあれだけ走るんですから…。そしてこのあたりで観客数が3,100人と発表が。この地元の視線の中で、みっともない試合はできない市原。

しかし、時間が経つうちに、女川のパスワークが再び出始めます。(楽をする意味での)長いボールに頼らず、つないで走ってまたつないで、の出発点に戻ることを選択したかのようでした。この状況、この時間帯で、これには頭が下がります。そのせいでか、何度も市原ゴール前に迫る女川、しかし市原守備陣も体を張って防ぎます。右から左からクロスを入れ、真ん中からもすり抜けようとし、CKを打ち込んでは合わせるもねじ込めず…。すべてをここで出し切るような、ちょっと異様までの女川の猛攻撃が続きますが、しかしそれに耐える市原。

結局そのまま時間切れでタイムアップ。勝敗はまたしてもPK戦へ。

今日は最初からバックスタンド2階で観戦していたのですが、PK戦のときは1階に降りて女川サポさんたちの脇へ。女川の選手が決めるたびに大旗が振られ、市原の選手が蹴るたびに祈る。その繰り返しが続き、全選手が決めてサドンデスに突入、後攻市原の8番目の選手がバーに当ててしまい、これで決着がつき、女川が昨日に引き続いてのPK勝利となりました。2日連続のPK戦勝利に、もちろんサポさんたちは喜びつつも、ちょっと心臓に悪そうな表情も。そりゃそうですよね…

対する市原は、昨日に続いてのPK負け。地元大観衆を前に、苦しい結果となってしまいました。

これで、女川の勝ち点は4、対する市原は2となりました。

(幕間)

そして、1日目の皆さんの #コミュサカグルメ タグのツイートで気になっていた、

おいしかったです。

第2試合:テゲバジャーロ宮崎 対 アミティエSC京都

試合開始時点での宮崎は勝ち点1、対するアミティエは勝ち点2。

試合開始から一進一退。宮崎が前線の森島選手に長いボールを入れるのは想定内ですが、アミティエのほうも、これまでのように中盤で奪って前へ、というよりも最初から長いボールを前線に入れるケースが多かったように思えます。長身のFW22番脇選手を入れたからでしょうか。ただ、それが効果的に働いたシーンはそれほど見えなかった気がします。ただ、アミティエの選手たちの運動量は今日も多かったですね。

森島選手はさすが元日本代表、ポストプレーや長いボールのヘッドでの落としなどはとても上手かったです(当たり前ですね)。どちらかといえば宮崎のほうがやりたいことは出来ていたかと思いましたが、前半終了間際にアミティエが右サイドコーナー付近からクロスを入れて弾かれますが、その跳ね返りを打ち込んで先制!ちょっと唐突感のあった得点で、時間帯もあって宮崎としては痛恨。対するアミティエは粘ってよくクロスを入れたな、というところでした。これで前半終了。

後半に入ると、宮崎は相手ゴール前に高いボールを入れる頻度が多くなり、それを大柄な選手に競らせてゴールに迫ろう、という感じに。対するアミティエは逆に中盤でボールを狩れるようになりました。攻める機会はアミティエのほうが多かったように思えますが、シュートに至るひとつ手前のプレーの精度が今ひとつでチャンスを作るまでは行けません。

「うーん、アミティエはこういういい流れの時に点を取れないと…」などと思っていると、宮崎は距離の長いFKをゴール前に入れてこれが混戦となったところを押し込んで同点!やはり宮崎はセットプレーでの一発がありますね。いや、返す刀でアミティエが攻めて左からのクロスに低いヘッド!しかしこれはゴール左へ。やり返せるかな、と思った次のプレーくらいで、宮崎もボールを斜めに持ち込んでからのクロスにダイビングヘッド、こちらはきっちりゴールに決めてあっという間に逆転!これは鮮やかでした。

その後は、アミティエが逆に長いボールを宮崎のゴール前に放り込んで相手DF陣がそれを跳ね返す時間帯に。ついさっきの第1試合の女川の攻撃をちょっと思い出しますが、こちらは単なるロングボールが比較的多く、前線の体格で劣るアミティエとしてはちょっと悪手だったかもしれません。結局そのまま宮崎が逃げ切り、2-1の勝利となりました!

一方のアミティエは、後半に点を取り切れなかったことのツケを最悪の形で払うことになってしまいました。

決勝ラウンドで初めて90分で決着がついたこの試合。その結果、宮崎の勝ち点が4アミティエは2のままとなりました。

2日目を終えて

2日目までの結果、4チームの勝ち点は以下のようになりました。

そして、明日最終日の試合は、以下のようになっています。

  • 【#23】 11月26日(日) 10:45 K.O. コバルトーレ女川 – アミティエSC京都
  • 【#24】 11月26日(日) 13:30 K.O. テゲバジャーロ宮崎 – VONDS市原FC

これによって、昇格の決定はすべて最終日に持ち込まれました。下のツイートが明日の状況をよく表していましたので引用しますね。

ということで、

ということになりました。

また、第2試合の観客数は1,250人と発表されていました。市原の試合だった第1試合が3,100人でしたから、1,850人が第2試合を観ずに帰っていた計算に。うーん、とも思いますが、逆に言えばこれはほぼ純粋に市原目当てのお客さんの数。そして、今日2日目では試合結果にかかわらず市原の「昇格」は決まらないことは最初からわかっていた(「昇格できず」は決まっていたかもしれないが)のです。それでもこの数字ということ。そして明日は、市原が自力で「昇格」を決められる条件が整ったわけですから、いよいよ明日こそ、ゼットエーが緑に染まるときが来たのではないでしょうか。期待しましょう。

明日、すべてが決まる。

最後に。今日の帰り道に、改めて以下の様なことを思いました。

そう。ここは、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ。その決勝ラウンド。地域リーグの最高峰の選手たちが集まり、クラブの命運をかけた最後の戦いに臨んでいるわけですよね。あれだけ全社で強かった鈴鹿アンリミテッドや松江シティが為す術無く破れていった1次ラウンド。その1次ラウンドを3連勝してきたVONDS市原が地元開催にも関わらず2戦連続PK負けで崖っぷちに追い込まれている。

一年間のリーグ戦を戦い抜き、全社の予選、そして福井での全社本大会、先々週の1次ラウンドを乗り越えてきた地平に、いま立っている4チーム。その後ろには、クラブやチームに関わる様々な人たち、そして多くのサポさんたちがいますよね。現地にいる/いないなんて関係ない。想いは一緒です。

地域CLの明日の最終日で凱歌をあげる2チーム。その関係者のみなさんにとって長年目指してきたクラブとしての目標に本当にあと一歩のところまで来ているという意味では、当人たちにとってその価値はとても大きいものでしょう。

そしてもちろん、勝者がいれば敗者がいます。残る2チームは、来年も地域リーグを戦うことになる。

そのことも含めて明日の最終日、2017年の地域リーグ、その最後の2試合を見届けたいと思います。

紹介 @regionalfootbal

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