地域CL2017観戦記(3日目=決勝ラウンド1日目)

皆さんこんばんは。@regionalfootbalです。

今日は2017年11月24日(金)、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)2017 決勝ラウンドの1日目です。

これまで日本各地の地域リーグ、全国社会人サッカー選手権大会(いわゆる全社)、そして先々週の地域CL 1次ラウンドを戦い勝ち抜いてきたまさに地域リーグのTOP4による最後の戦い、「最終節」の幕開けです。

出場する4チームは以下の通り。

  • コバルトーレ女川(東北社会人サッカーリーグ1部 1位)
  • VONDS市原FC(関東サッカーリーグ1部 1位)
  • アミティエSC京都(関西サッカーリーグ1部 1位)
  • テゲバジャーロ宮崎(九州サッカーリーグ 1位)

この4チームによる1回戦総当たりのリーグ戦を3日間連続で行い、その上位2チームがJFLに昇格できます。

大会会場は千葉県市原市、ゼットエーオリプリスタジアム。今日の天候は晴れ、気温は低めですね。今日から3日間の大会期間中は天気はもちそうな予報なので助かります。

さあ、行きましょう。

第1試合:コバルトーレ女川 対 テゲバジャーロ宮崎

試合前、というかスタジアムへの入場をメインスタンド側で待っている間に、女川サポさんから地元新聞の特集号をいただきました。

地域CLの1次ラウンド前(11月4日付)に発行されたものですが、地元紙である石巻日日新聞の特集号、表紙の「ぶつけろ 東北覇者の意地」という言葉にグッと来ます。

対する宮崎は、1次ラウンドでのイエローカード累積からこの試合は森島康仁選手(デカモリシ)が出場停止。また、この両者は1次ラウンドでも同じ組で2日目に対戦しており、このときは1-2で宮崎が勝利しています。

試合開始から、女川の時間帯が続きます。初めて観たチームなのですが、ボールを奪って攻める際に前へのランと長短のパスをおりまぜてつなぐさまに驚きました。選手個々の体格では宮崎に分があるように見えましたが、そんなものにはお構いなく縦パスも打ち込んできます。宮崎も前線への長いボールやセットプレーで反撃しますが、こちらはちょっと単発気味。

そうこうするうちに、右からのクロスを中央でトラップでうまく収めて振り向きざまにミドル!これで女川が先制します。先制後も女川のパスワークは躍動し続けて前半終了。

後半に入ると、宮崎は前線へのロングボールを早めに入れるようになったように見えました。そしてこれが、直後に功を奏します。長いボールをポストプレーで収めて味方が上がる時間を作り、そこから元Jリーガーの髙地選手がゴール逆側の左隅ギリギリに打ち込んでこれで同点に!(ちょうどシュートコースを真後ろから見ていたのですが、ほんとにギリギリでした)

ここから、球際での争いで宮崎の選手の体格差が生きてきたのか、しばらくは宮崎の時間帯に。その後は一進一退であっという間に時間が過ぎ、残り10分というところで女川陣地右サイドでの宮崎のFK。距離のある位置からこれも髙地選手が美しい弾道のボールをゴール前に入れ、これをヘッドですらしてねじ込み宮崎が逆転!このボールには観客席でも「すげぇー、さすがー」とため息が。

その後も宮崎がボールを持つ機会が多く、このままか、と思われた頃に、宮崎陣内でのボールの奪い合いからポッとDF裏に出されたボールに、10分ほど前に交代で入っていた女川13番の成田選手が素早く抜け出て追いつきそのままシュート、同点!ちょうどこのゴールを同じ側のバックスタンドで目の前で見ていた女川サポさんたちの歓喜の声がスタジアムに響きます。思わず、

などと臆面もなくツイートする始末。

追いついた女川がその後も押し込み続けてCKを連発しますが、そのまま2-2のままでPK戦に突入。互いに一本ずつをポストに当ててしまいますが、宮崎の5人目のシュートを女川GKがストップして勝負あり、女川がPK勝ちを収めました!

いやー、さきほどのツイートではないですが、この試合は観れて良かったです。お互いの持ち味を出し合い、シーソーゲームで得点シーンが多かったこともありますが、(後半は相手の宮崎に主導権を渡す時間帯もありましたが)とにかく女川のパスワークが外連味がなくて小気味いいことに好感が持てました。もちろんサッカーには様々なチームや戦術があってそれぞれに好みがあって当たり前なのですが、プレーを観ていて単純に「次はどうするんだろう」とワクワクするサッカー、と思えました。地元にこんなチームがあったら、毎週末が楽しみになるんじゃないのかしら。

初めてみましたが、印象的なチームとなりました。

以下に、両チームの選手出場時間を貼り付けておきます。ともに緑色がこの試合です。

第2試合:VONDS市原FC 対 アミティエSC京都

2試合目は関東リーグと関西リーグの王者対決となりました。

ご存じの方も多いかと思いますが、決勝ラウンドの会場であるゼットエーオリプリスタジアムは、市原のホームスタジアム。果たして市原はこの絶好のホームアドバンテージを活かすことができるかどうか。関東リーグや福井での全社、また栃木での1次ラウンドでも試合を観てきた市原、その強かさ(したたかさ)は、さすがに地域リーグ観戦初心者の僕でも十分承知です。

対するアミティエは、全社の2日目でいわきFCをPKで破った一戦以来の観戦。こちらも楽しみです。

試合開始時でバックスタンドの市原サポさんの数も多く、また第1試合の観客数が550人だったのに比べてこの第2試合は1550人(どちらも公式発表)と、あらためて地元での人気の高さを実感します。メインスタンドのほぼ中央で観戦していたのですが、プレーへの反応から察するに周りの方もほとんどが市原寄りに思えました。

試合が開始すると、この試合もどちらかというと縦に速いアミティエが主導権を握ります。ボールを奪うと全身オレンジユニの選手たち複数人が前に走る姿が何度も繰り返されます。ただ、第1試合の女川とはちょっと違って、前に走ったらなるべく早くシュートまで持ち込みたい、という感じに見えました。また、両者球際は厳しいのですが、アミティエ側は、ピッチを割りそうなボールにも走ったり、ライン際で態勢が悪くなってもあきらめずにボールを折り返したり、と粘り強いプレーを見せてくれます。

しかし前半早い時間に、市原の前へのパスにレナチーニョがアミティエDFと入れ替わって抜け出しGKと一対一に!しかしここはGK1番岩倉選手のナイスセーブに阻まれて天を仰ぎます。それ以降、レナチーニョは試合を通してほとんどいい形でボールを受けることができませんでした。これはおそらくアミティエ側(特にDF陣)の働きによるものでしょう。

その後もアミティエ優位のまま、速攻で放ったミドルシュートがバーを直撃したり、逆に市原が相手陣内まで組み立てて持ち込み最後のループ気味のシュートがおしくもゴールすぐ上を通過するなど、互いにチャンスはありましたがスコアレスのまま前半終了。

後半に入って、市原はちょっと受けるようにしたというか、軸足をすこし後ろにしたかも、という印象を受けました。アミティエの攻撃の際に、人が足りない場面が前半よりも少なくなってたような気がしました。その後、互いにゴール前でのチャンスも何度かありましたが相手の守備陣、特に両チームのGKによる好セーブで凌ぎます。アミティエのGK岩倉選手はこの試合でビッグセーブを2〜3つ見せてくれて、それも含めて激戦の関西リーグで最小失点(14試合で失点7)は伊達じゃないなと。

結局このままスコアレスでタイムアップ、こちらもPK戦に突入となりました。

互いにPKをきっちり決めていく中、後攻の市原5人目レナチーニョがまさかのゴール上 枠外へ!これで、アミティエのPK勝利となりました。

試合巧者であるはずの市原、この試合ではそのチカラを発揮できなかったのでしょうか。それだけ、アミティエ側が良かった、と言えるのかもしれません。

こちらも選手出場時間グラフを貼っておきます。全社のときは試合ごとに選手を入れ替えて臨んでいた市原も、さすがにこの地域CLではそうも行かない様子です。

1日目を終えて

2試合ともにいい試合でしたが、まさか2試合ともにPK戦までもつれ込むとは、朝の時点では正直思っていませんでした。それだけ実力伯仲しているということかもしれません。ただ、どのチームも自らの良さは出せているので、明日以降の試合も期待が持てますね。ただ、その中では市原だけはまだちょっとうーん、という印象でした。明日以降は、おそらく多くの市原サポがつめかけるでしょう。その前で果たして「らしさ」を取り戻せるでしょうか。

2試合のどちらもPK戦になったため勝ち点差は広がらず。明日の2試合ともに、今日の勝者と敗者との組み合わせとなりました。これによってどうやら明日、今日の勝者である女川とアミティエの双方が90分勝ちして勝ち点を積めば、そのままその両者がJFL昇格を決めることになりそうです。

ただ、ここは地域CLの決勝ラウンド。そうそううまく事が運ぶかどうか。1日目の今日は、言ってしまえばお互いの改めての顔見せ。いよいよ明日以降、チームの来年以降の運命を決める最後の試合となったときに、はたして何が起こるのか。地味にイエロー累積なども効いてくるかもしれません。

明日からは週末になります。もちろん、こちらも大詰めとなったJ1とJ3、J1昇格プレーオフ準決勝になんとACL決勝2ndレグまで!と、国内サッカーはもりだくさんですが、地域リーグも負けていませんよ。有明放送局さんが実施してくれているネット配信で観戦するもよし、現地に来られる方は、明日ゼットエーオリプリスタジアムでお会いしましょう!

紹介 @regionalfootbal

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