地域CL2017観戦記(1日目=1次ラウンド2日目)

皆さんこんばんは、@regionalfootbalです。

今日は2017年11月11日(土)、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(いわゆる「地域CL」、旧称「地決」)2017の、1次ラウンドの2日目になります。

いよいよ「地域CL」が開幕!

当サイトは、2017年の6月から、全国9つある地域リーグのリーグ戦における毎週末の試合の勝敗状況を更新してきました。また、10月に福井県で開催された全国社会人サッカー選手権大会(いわゆる「全社」)は現地観戦してきました(本大会情報まとめページがあります)。

これらはすべて、日本のアマチュアサッカーの最高峰であるJFLへの昇格を決める、この地域CLへとつながっています。これらの仕組み自体については、ちょっと長いですが「地域CL=「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」とは何か」ページをお読みください。

地域CLは1次ラウンド(12チームが参加)と決勝ラウンド(1次ラウンドを勝ち上がった4チームが参加)に分かれています。昨日から始まっている1次ラウンドは、参加12チームが4チームずつ3会場(栃木、兵庫、鹿児島)に分かれて開催されます。それぞれの会場では4チームが3日間連続で3試合を行う総当りのリーグ戦が行われます。そして、そこで1位になったチームと、3会場の2位のうち最高成績のチーム1つが次の決勝ラウンドに進むことができます。

当サイト管理人は、昨日(11月10日)の大会1日目は都合で観戦できなかったので、大会2日目からの観戦となります。

朝はいくらか曇がありましたが試合が始まる頃には青空に恵まれ、それほど寒くもなく、いいコンディションとなりました。栃木の会場である栃木グリーンスタジアムは様々な企業の工場が誘致されているような地域にありながらも周りが木々に囲まれており、ちょうどきれいに紅葉している一角もあって、とても美しかったです。ときおり強い風が吹くとはらはらと落葉もしていました。

さあ、試合を見ていきましょう。

第一試合:松江シティFC対サウルコス福井

松江シティは10月の全社で準優勝していわゆる「全社枠」としての参加。対するサウルコス福井は北信越リーグ1部の優勝チームです。

松江は昨日の1日目の試合でVONDS市原に負けており、逆に福井は昨日鈴鹿アンリミテッドに勝っています。3試合の短期決戦ですので、2連勝すれば決勝ラウンド進出に王手がかかります。逆に2連敗すれば敗退が決まります。対象的な立場にいる両者の対決となりました。

試合が始まると、福井は5バック気味にして松江を中盤で待ち受ける、といった感じに見えました。そのDFラインの両サイドと裏を狙いたい松江と、中盤でボールが取れれば前線に長いボールを送り込む福井、といった感じでしばらく進みました。

その後は一進一退と言った感じで、個人的にはどちらかというと福井のほうがやりたいことができているのかな、と思えたのですが、前半終了間際に福井がPKを与えてしまって、松江の39番がこれを沈めて松江シティが先制します。

追いつきたい福井は後半開始時に3名を交代して、4バックに変更します。互いのゴール前でのシーンが多くなり、後半残り15分くらいのときに松江の自陣側でのミスに乗じてボールを取ってそのまま運んでゴールに押し込み福井が同点に追いつきます

この同点弾でがぜん試合の流れは福井に。何度も松江ゴール前まで迫りますが、最後にシュートが打てないか打っても枠に行ってくれません。後半は福井が自分たちのサポさんのいる側(=松江のゴール側)に向けて攻めており、押せ押せの時間帯で松江PAのすぐ外でFKを獲得した際には、福井サポさんたちの声が一層大きくなり、メインスタンドの観客の皆さんもつられて手拍子を。このときは中に入れたボールにきれいにヘッドで合わせたのですがボールは惜しくもゴール上へ。これには「ああああぁ」という大歓声が。

そして試合終了直前になって、福井はGKを交代します。短期決戦の地域CLでは延長戦はなく、試合終了時に同点の場合は即PK戦に入りますので、それを見越しての交代ですね。

結局、試合は1-1のまま終了してPK戦へ。使うゴールは松江サポの陣取る側になり、メインスタンドの(センターラインをはさんで)反対側で観戦していたので、急いでそちらのゴール裏へダッシュ。PK戦では、交代で出てきた福井のGKがなんと2本を止める活躍を見せて福井が勝利! 勝利が決まった瞬間にはスタジアムの逆側に陣取った福井サポさんたちの声がこちら側にまで響きました。

全社の会場でも見たし今日も見かけた、松江シティの「PRIDE OF CAMELLIA」という黄色い段幕は、残念ながら来年も中国リーグの会場で掲げられることが決まりました。(※午後の第二試合の結果をもっての確定でしたが)

第二試合:VONDS市原FC対鈴鹿アンリミテッドFC

関東リーグの覇者であり全社3位でもあるVONDS市原。Jクラブを指揮した経験をもつゼムノビッチ監督や元川崎のレナチーニョを擁する強豪です。対する福井も東海リーグを制しておりかつ今年の全社では初優勝を果たしています。

第一試合同様、昨日勝利した市原と昨日負けている鈴鹿の対戦となっており、鈴鹿としてはなにがなんでも勝ち点を積まないといけない状況です。福井で開催された全社の時と同様、今日も多くのサポさんがここ栃木に駆けつけています。

しかし試合が始まると、鈴鹿の側は味方同士のパスがちょっとずれたり、身体が重そうかなという印象をたびたび受けたり、どうもやりたいことができないのかあるいはやらせてもらえていないような印象を受けました。あまり見せ場もお互い多くなく前半は終了します。

これまで、市原は後半開始時に数名を交代させて試合を動かすケースがたびたびありましたが、この試合では交代なしで後半に入ります。その後半開始直後、鈴鹿はCKからドンピシャのヘッドがあったのですがゴールの上、これがこれまでで一番のチャンスだったでしょうか。

後半に入ると鈴鹿の選手の動きが前半よりもぴりっとした印象を受けたので、ハーフタイムでなにか修正が入ったのかもしれません。一進一退になりますが、後半半ばの時間に鈴鹿ゴール近くでのこぼれ球の拾い合いからやっぱりこの人レナチーニョ!で市原が先制します。これまであまり有効な攻め手が打ててない鈴鹿としては厳しくなりました。鈴鹿サポさんたちの声にも焦燥感がにじんできます。

得点後、市原はすかさず15番の足の速い二瓶選手を前線に投入。焦る鈴鹿が前がかりになればその裏を取りますよ、という(容赦のない)メッセージでしょうか。その後、鈴鹿は選手交代もしてチャンスもいくつかつくるのですがどうにも決定的な場面にならず、接触で選手が倒れたりするとお互い語気が荒くなることもしばしば。足をつる選手もでてきて、連戦2日目の影響も見えてきました。

しかし結局このままスコアは動かず、1-0で市原の勝利となりました。

かくして東海リーグの王者は、本気を出したのかそれとも出させてもらえなかったのか、全社での歓喜を「JFL昇格」という結果に結びつけることがかないませんでした。

「世界一過酷な大会」

試合観戦の合間にツイッターで他の2つの会場の結果も確認し、地域CL本大会情報ページの情報を更新しています。

1次ラウンド2日目が終わった時点で確定したことは、

  • 敗退確定(2連敗):鈴鹿アンリミテッド、松江シティ、十勝FC、三菱自動車水島FC

という感じでしょうか。勝ち抜けよりも敗退が先に決まる仕組みみたいですね。そして明日の3日目にはもうすべてが決まります。

あらためて、「世界一過酷な大会」と呼ばれる理由が少しわかりました。年間を通して地域リーグを制してきたチームが、5連戦の全社を乗り越えてきたチームが、最後にして最大の目標を目の前にして、あっさりと敗れ去っていく。これは、該当チームの選手や関係者、サポさんたちにとってはつらいですね…。

さあ、今月末の決勝ラウンドに勝ち抜ける4チームは果たしてどこなのか。敗退が決まっているチームは最後の試合で何を見出すのか。明日も栃木グリーンスタジアムで見届けたいと思います。

それでは、また明日!

紹介 @regionalfootbal

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