全社2017観戦記(3日目)

みなさんこんばんは。@regionalfootbalです。

第53回全国社会人サッカー選手権大会(「全社」)は大会3日目を迎えました。

ここで今日(10/16)朝時点での状況を整理しておきましょう。今日は以下の4試合が予定されていました(★は権利持ち)。

  • ★鈴鹿アンリミテッドFC対★アミティエSC京都@三国運動公園陸上競技場 11:00〜
  • FC TIAMO枚方対JAPANサッカーカレッジ@三国運動公園陸上競技場 13:30〜
  • 松江シティFC対アルティスタ東御@丸岡スポーツランドサッカー場 11:00〜
  • アルテリーヴォ和歌山対★VONDS市原FC@丸岡スポーツランドサッカー場 13:30〜

そして、以下のツイートのように、その試合結果によって、11月の地域CLへの出場チームが今日で確定する、ということです。

今回の全社に出れずに東海1部で優勝も逃したFC刈谷も関わってくる、ということですね。なんとも複雑なレギュレーションです。

試合会場は2ヵ所でしたが、今日は1日目と同じく丸岡スポーツランドを訪れました。

第1試合(11:00K.O.)

  • 松江シティFC対アルティスタ東御

今日から平日なのに、松江シティもアルティスタ東御も、ともに選手名の段幕が張り出されており、また声出しサポさんが数名いらっしゃいました。すごいなぁ。

そして、さすがに大会3試合目なので選手たちの疲労も大きかろうと、試合前に松江シティの選手の出場時間をJFAサイトにあった公式記録から拾ってグラフにしてみました(今日のスタメンは80分扱い、後半ATでの交代出場は1分扱い)。

これを見ると、1回戦・2回戦ともにフル出場して今日もスタメンの選手が8名もいます。もちろん地域リーグですからターンオーバーにも限度はありますが、こりゃ大変だ…と試合前からすでに心配モードに。時間の関係でアルティスタ東御の方は試合前には確認できませんでした。

ちなみに今日の丸岡会場は、時おり小雨がふってきますが風はほとんどなく、昨日に比べれば随分楽な観戦コンディションでした。

試合は前半最初から松江シティの選手の前線と中盤での相手へのチェックが厳しく、東御の選手たちは(松江に比べて)全般的にやや細身でテクニックで勝負するタイプが多いように見えて、東御の選手たちはやりづらそうにしている印象を受けました(あくまで今日の試合を見ていた限りの印象です。そもそも東御さんの試合を観るのは初めてなので、見当違いのことを言っていたら申し訳ありません)。

特に松江のボランチの31番でキャプテンの選手が中盤でのボール奪取や周りの味方への鼓舞、審判とのコミュニケーションなども含めて、敵味方に大きな影響を与えるように見えました。また、同じく松江のGKの選手は大きな声で戦術的な指示を終始味方に送っており、こちらも好印象でした。

前半に松江が1点リードして試合は後半へ。後半も松江が押す時間帯が続き、後半半ばで「ようやく」という感じで松江の追加点。その少し前くらいから松江のチェックが少し弱まって、東御がボールを持っての技術を出せるようになってきたかな、と思ってたところだったので、これは嫌な場面で決まったな、と思いました。

しかしその直後に、ペナルティエリア前ほぼ正面で得たFKを東御の選手が直接ゴールへ!キーパーほとんど動けず、これには会場も湧きました(もしかしてちょっとコースが変わったかな?)。

その後の松江ボールでのゲーム再開直後に、松江31番が二枚目のイエローで退場。さすがに、3連戦(この選手も連日フルスタメンの8名のうちの一人)とこの試合でのそれまでの猛チェックで、身体がしんどくなっていたかもしれません…。

逆に相手が10人になったことで、東御は個々でボールを持てるようになり、その技術が活かせるようになった印象でした。特にそれまで常に松江の31番に見張られていた東御の8番キャプテンが生き生きとしてボールと、そしてゲームもコントロールし始めました。ファウルでしか東御を止められなくなってきた松江。残り時間はけっこうあってATも5分。完全にあの退場で試合の潮目が変わり、どちらにゲームが傾くのか、ワンプレーごとに観客からも歓声があがるようになりました。

しかし、結局松江がそのままなんとか逃げ切って勝利、地域CLへの出場を決めました!

試合後には、互いのサポさんたちが相手のチーム名をコール。これは地域リーグの良さのひとつですね。そして、東御サポからの松江コールに答えて、以下のツイートへ。

(このツイートを書きながらホントにちょっと涙ぐんでたのは内緒です)

そしてもし個人的にMVPを決めていいとしたら、松江31番でした。

大会一日目、それほど気負いすぎることなく大会に臨んでいたように外からは見えた松江シティ(観戦記1日目参照)でしたが、見事に最大の目標を達成されました。すごい、おめでとうございます。

対するアルティスタ東御は、昨日2日目の大逆転負けで大会を去ったサウルコス福井に続いての北信越枠からの敗退となってしまいました。残念。

第2試合(13:30K.O.)

  • アルテリーヴォ和歌山対VONDS市原FC

平日にも関わらず和歌山サポさんは多く来られており、太鼓とトランペットでこの試合においても選手たちを鼓舞していました。頭が下がります。

しかし相手は強豪のVONDS市原。昨日は地元サウルコス福井を前半の0-3からひっくり返して退けています。この試合でも、前半は終始市原がゲームをコントロールして2点リードで後半へ。

この試合の後半は、特に前線の選手はダッシュした後に苦しそうな表情で足をちょっと引きずりながら戻っていく事が多くなりはじめました(ピッチとの距離が近いので表情が見られるのはありがたい)。そりゃそうですよね、3連戦の3日目ですから…。

後半になって和歌山も押し返せる場面も増えてきてどうなるかと思いましたが、和歌山の2番が長い距離を走ってボールを奪ってそこからの流れで1点返します。一気にここから押せ押せにしたい和歌山の選手たちですが、市原はそれをいなすように個人でボールをはがすケースも。こういうところはうまいですね。

足をつる選手(特に市原側)も出始めた後半半ば、和歌山がもう1点入れて同点に!これにはサポさんたちも大歓声で答えます。(市原にとっては昨日の真逆のケースが起こるのか?)と誰もが思いはじめた時に、ゴール前でボールを受けたレナチーニョがDFをほんのちょっとかわしてゴール右隅へ。ここでそのプレー精度は、反則というかなんというか(いやもちろん反則でもなんでもないのですが)…。

その後、和歌山は前線への放り込みを最後まで続けましたがタイムアップ。地域CLへの出場はかないませんでした。

試合後のことは、(他にもいろいろあるかもしれませんが)もうこれ一枚で。

この試合の結果をもって、VONDS市原はもともと関東リーグを優勝しているので地域CLへの出場権はあり、その代わりになんと東海リーグ1部2位のFC刈谷が地域CLへ出場することが決定しました! なんという大逆転。そう言えば、9月25日に以下のようにツイートしていたのを思い出しました。

まさかこれが現実のものになろうとは、このときは正直ちっとも思っていませんでした(刈谷の皆さんごめんなさい)。今日のこの試合の後に、FC刈谷の監督&選手たちがツイッター上でぞくぞく地域CLへの決意表明をしており(FC刈谷の公式アカウントさんがそれらをRTされているのでそちらを参照に)、刈谷方面はにわかに盛り上がってまいりました、という感じに。

これで地域CLの出場全12チームが決定

こんなにいい試合を2試合連続で観れたのでホクホクしながら宿に帰ってきたので、この結果として今年の地域CLの参加全12チームが確定したよツイートを先ほどまでし忘れていました。

全社3日目で見えたこと

さて、「サッカーなのに5連戦」としてその過酷さで知られるこの「全社」。今年は、地域リーグ優勝チーム、いわゆる「権利持ち」のチームが2つも勝ち上がってきたこともあって、上で書いてきたように、大会3日目にして「全社枠」がすべて決まりました。勝敗の組み合わせによっては、最後の5日目の3位決定戦までが全社枠を懸けた「本気の戦い」になりうるのでしょうが、今年はそうはならなかったことになります。

今日の試合でだって、特に試合後半は選手たちの苦しそうな表情や足を引きずりながらのプレーは随所に見えました。実際足をつってる選手もいましたし。外から見ているだけではわかりませんが、おそらく意図した戦術やプレーができなかったことも多々あるでしょう。

プロのリーグ戦と違って、「ひとつひとつの試合に100%を出す」という向き合い方ではないやり方が、地域リーグの中ではあるのかもしれません。九州リーグではしょっちゅう2連戦がありますし。しかし、それにしたって3連戦、5連戦が大変なことに変わりはないかと思います。

そもそも5連戦というレギュレーションそのものがやっぱり異常なわけで、それに沿って選手たちが限界を超えてボロボロになるまで戦うことを外野が勝手に期待するのはやっぱりどうなのかな、古代ローマのコロッセオでもあるまいし、と。3連戦だけでもう十分、早く体を休めてください、としか僕には言えそうにありません。そう言えば、以前こんなことをツイートしてました。

もちろん、心のどこかでそうしたものを期待する部分がゼロか、と言われればそうではないでしょう。それがスポーツ観戦の魅力のうちのひとつであろうことは否定しません。真夏の甲子園で連日連投するピッチャーなんて、ある種「見世物」みたいなものかもしれませんし。でも、その部分が大きすぎるようになると、やはりそれはもう「スポーツ観戦」とは別ななにかになってしまうのではないかなー、とも思いました。このあたりは難しいですが、でもやっぱりそう思ったので。

なので、ここではその側面とは別なことを書いておきます。

今日は月曜日なので、本来であれば皆さん学校やお仕事があるわけですよね。でも、今日の試合でも会場には声出しするサポさんたちがいらっしゃいました。また、大会一日目で敗れた沖縄SVの試合では、沖縄側は一人サポさんだった模様で、試合後選手たちがそこへ挨拶に行ってたみたいです。

また、これはJ2の話になりますが、昨日(10/15)の試合でザスパクサツ群馬の年間21位以下が確定してJ3への降格が現実味を帯びてきました。その後、群馬のホームスタジアムのDJさんが以下のようなツイートをされていたのをたまたま今朝見かけていました(いくつかの連続ツイートの中のひとつなので、前後の文脈は皆さんで確認してください)。

もちろん、現地に来られていた方々だけでなく、たまたま現地にいるだけで単なる部外者な僕の試合中のつたないツイートを、学校にいながら/仕事をしながら各地で見ていてチームを応援していた皆さんもいらっしゃったかと思います。

地域CLへの出場権を懸けての「全社」、その勝敗を巡っての悲喜こもごも。もう、大会からは28チームが去っていきました。チームだけでなく、そのサポさんたちも。「また来年出直そうぜ」という前向きな言葉もたくさん聞こえましたが、やっぱり悔しそうな声でもありました。そりゃ、そうですよね。そして、そもそも福井まで来たくてもどうしても来られなかった大勢の方々がいらっしゃるわけで。

「自分は、チームの支えになれているのかな?」

サッカーサポさんならば、一度は頭をよぎったことがあるかもしれないこの言葉。もしかしたら、この全社において試されているのは、選手たちだけではなく、それを近くで/遠くで支えている私たち周りの人間も、なのかもしれません。

…ちょっとうまく書けてないままですが、なんとなくそんなことを感じた大会3日目でした。

(もちろん、現地に来てないからチームの支えになってない、という意味で書いているわけではありませんので、お気を悪くなさいませんようお願いしますね。僕の文章力の問題です。すみません)

【難問】明日以降どうしようかな

さて、今日勝ち残った4チームは明日・明後日と試合があるのですが、どのようなモチベーションでその試合が行われるのか、正直僕にはわかりません。その4チームのサポでも何でもない僕としては、明日あさいちで東京に帰ろうかなー、という判断が適切だとは思います。

宿は最終日分まで予約してあるし、航空券の帰りのチケットもそれに合わせてある。しかし、キャンセルや払い戻しは不可能ではないでしょう。正直、迷っています。

今日の試合会場からの帰り道に、以下の様なことをツイートしました。

さてどうするか。観戦続行か、予定変更して帰京か。明日朝までに結論をださないと…。

紹介 @regionalfootbal

このサイト「地域CLを知る」を運営しています。

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